パンダ犬、アナタの家にもどうですか!
パンダが飼えないからパンダ犬だ!
アナタの愛犬がパンダになる!
ついでに飼い主も白黒つけましょう!
その前に共産党だ!とChina・支那人
「中国人民ペット犬ブーム」非難する中国共産党…毒殺、虐殺、食肉用は「不問」でもペットは「西洋かぶれ」と言う謎
2014.8.15 07:00
今年の6月8日付の本コラムで、米国では中国産の原材料を使った
ペット用のおやつジャーキーを食べた犬約5600匹が病気になり、
うち約1000匹が死んだり、当の中国では野良犬100匹が生き埋め
にされたりと、中国のせいで犬が大変な目に遭っているお話をご紹
介しましたが、どうやら中国共産党は人民が“犬を飼う”ということ
がそもそもお気にめさないようなのであります…。
“抗日戦争勝利紀念日”の時期に何を狙う
7月30日付米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、電子版
)が報じていますが、中国共産党の機関紙、人民日報が29日の社説
で、最近、中国で犬をペットとして飼う人が激増しているのは“ま
るで西欧諸国の悪影響”であるといわんばかりに非難したというの
です。
記事によると、この社説は、現在起きている「犬の蔓延(まんえ
ん)」は「無視できない現実」であるとして、無神経な飼い主を批
判すると同時に、都市部で最近、ペットとして犬を飼うことが大流
行している状況は、西側諸国の影響が国内に広がっていることを示
すものであると否定的に論じました。ちなみに人民日報はかつて、
番犬を飼うのは主に村民や農民であると説明していました。
さらにこの社説は「この10年から20年で、飼い犬の数は恐るべ
きスピードで増えている。どの街でも地区でも、犬のいない場所を
見つけるのは困難だ」と指摘すると同時に、多くの飼い主は礼儀を
欠いていると非難。
こうした“礼儀を欠いた”飼い主の不道徳な行いに対する非難や不
満を綴(つづ)った5通の投書を紹介しています。
例えば北京に住むFeng Qiyunさんからの投書には、近所の犬
が絶え間なく吠(ほ)え続けるだけでなく、飼い主同士が出会うと
大声で犬の飼い方について話すため、さらにうるさいうえ、放し飼
いされている犬もおり、うちの庭は犬のふんだらけだと憤慨する様
が書かれていました。
こうした意見を受け、この社説は、犬を放す場所について飼い主
は今よりもっと考慮する必要があると強調。「多くの飼い主は自分
の権利と犬のことしか頭になく、公衆の安全や公共空間(への悪影
響)については無関心かつ無神経である」と批判。そのうえで「政
府には飼い主を管理するためにできることがもっとあるはずだ」と
付け加えています。
この社説について、中国の交流サイト(SNS)のユーザーたちか
らは、飼い主に犬のふんの後始末をするよう注意喚起する内容につ
いては好意的に受け止めていますが、中には、犬が遊べる場所が不
足していることが問題だとの指摘が相次ぎました。
実際、いまの中国では、犬は多くの場所から閉め出されている上
、公園への立ち入りを禁止している例も多く、仕方ないのでショッ
ピングモールやオフィスビルの周辺で遊ばせている飼い主が多いと
いいます。
中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」のとあるユーザーは「強
大な影響力を持つ人民日報が犬の飼い主(のモラルなど)について
非難するなら、『政府は香港や米国、日本などのように、飼い主の
ために犬が遊べる公園を提供することができるのか』との問いに答
えてほしい」との厳しい意見を投稿しました。
この社説の内容を紹介したWSJの記事は「ここ数年、中国では、
毛がふさふさした飼い犬を連れ、得意げに街を闊歩(かっぽ)する
ことが大ブームになっているが、中国共産党は明らかにこれを快く
思っていない」と皮肉っぽく紹介しています。
中国で犬をペットとして飼うことが“西洋かぶれ”かどうかは定か
ではありませんが、確かに、ふんの後始末のような他人に迷惑をか
けない最低限のモラルを守れという人民日報の主張は日本にも当て
はまります。実際、日本でも、道ばたに飼い主がシカトして放置し
たとみられる犬のふんが乾燥した状態で転がっている様を目にした
人は少なくないと思います。
とはいえ、人民日報が指摘するように、過剰なブームが巻き起こ
っているのは確かなようです。
今年の5月13日付英タブロイド紙デーリー・ミラー(電子版)や
、5月16日付米ニュースサイト、ガーディアン・リバティ・ボイス
が報じていますが、中国ではいま、中産階級を中心に、チャウチャ
ウ犬の毛をカットして、パンダそっくりの白黒に染めた「パンダ犬
」が大ブームなのだそうです。
これまでは、ラブラドール・レトリバーやフレンチブルドックが
売れ筋、というか大人気だったのですが、いまやダントツの一番人
気はパンダ犬なのだそうで、供給が追いつかないほどの売れ行きと
いいます。
麻婆豆腐でおなじみ、四川省の省都、成都市のペットショップの
オーナー、Hsin Ch’enさんは「10年前、犬といえば食用だった
けど、いまの中国人民は西洋人のようになってきたね。友人として
、ペットとして、犬を求めているんだ」と話しました。
このオーナーによると「着色作業は約2時間。染料に有害物質は
含まれておらず、作業が犬に強いストレスを与えることもない」と
いいます。
とはいえ個人的には、無理やりパンダ模様に染めること事態、動
物虐待だと思います。こんなのが許されるなら、アリス・クーパー
やキッスやマリリン・マンソンみたいなメークの犬もアリなんでし
ょうかね?
ちなみに、基本、染めているだけなので「パンダ状態は約6週間
で終了。そのため定期的に染色や刈り込みといったメンテナンスが
必要」といい、けっこうコストがかかります。
それでもパンダ犬はいまやすっかりハイソの象徴のようになり、
連れて歩くだけで羨望のまなざしを浴びるとのこと。謎ですね。
このパンダ犬、いまや中国全土のペットショップがこぞって販売
しているのですが、染料の種類や染め方など、ノウハウを非公開に
しているため、このブームを知った欧米のペット愛好家が懸念を表
明。目の周りや耳など、黒く染めた部分から染料に含まれる有害物
質が犬の体内に入り込む可能性をはじめ、そもそも犬用の毛髪染料
というものは存在せず、犬にどんな影響を与えるか未解明な部分が
多いといった指摘が相次いでいます。
友人として、ペットして犬を飼い、ゲテモノ趣味としか思えない
パンダ犬でハイソぶりを誇示する人がいるかと思えば、みんなで集
まって犬の肉を食べまくる「犬肉祭」が開催されたりして、中国40
00年の歴史は複雑怪奇ですなあ…。
(岡田敏一)
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【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部などを経て現在、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。京都市在住。
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