日本の放射線防護学の第一人者である札幌医大の高田純教授がとても為になる本を書きました。
題して「決定版 福島の放射線衛生調査」 副題は「低線量だった福島の真実と20km圏内の復興」です。
私は早速神保町の三省堂まで出かけていき、購入して読みました。
三省堂は高田教授の本が比較的よく揃っています。
私は講談社ブルーバックスの「世界の放射線被ばく地調査」という本で初めて高田教授を知りました。
同時に大阪大学名誉教授近藤宗平先生の本も合わせて読んだので、放射線とはなんぞや?被曝の影響の実態はどのようなものなのかを知る事が出来ました。
お蔭で東日本大震災の原発事故に際しては全くと言って良いほど慌てることはありませんでした。
週刊誌や朝日・毎日・東京新聞などが一生懸命煽っている記事を見て失笑さえ浮かべていたのです。
で、現実はどうだったのかと言えば高田先生の言う通りに推移していると言って過言ではないでしょう。
原発事故の緊急作業に従事した職員でさえ、一人の死者どころか病気になった人すら居なかったのは高田先生の説が正しかったことを現実が裏書きしているのです。
勿論、周辺の住民からも障害などは発生しておりません。
高田先生は広島原爆の黒い雨の調査から始まって、ビキニ環礁、チェルノブイリ、セミパラチンスク核実験場、マヤーク核兵器工場の事故、東海村臨界事故、シルクロードでの支那の核実験の実態など世界中の核被爆地を調査され、豊富なデータを持っている方です。
その豊富なデータに基づいて、私如き素人にも解り易い様に「放射線6段階区分」を提唱され、核事故や事象に対して徒に慌てることなく、正しい判断が出来るようにと活動されているのです。
さてこの本ですが、高田先生が自身で採取したデータ、自衛隊や東京電力が採取したデータなどを統合し、それを自身が唱えておられる「放射線6段階区分」に当てはめて、安全なのか危険なのかを判定しているのが第一章です。
このようなデータが随所に出てきます。
これを過去の核災害のデータ(チェルノブイリやビキニ環礁、セミパラチンスク、広島原爆、東トルキスタンのタリム盆地、東海村)と比較するとともに、放射線6段階区分に当てはめて、福島第一原発事故の放射線影響を論じています。
核事故・事象を科学的に理解しようとするならば、一にも二にもデータです。
科学とは須らくそうですが、データによって裏打ちされていない説は否定されるべきものです。
科学とは一にも二にもデータです。
「どっかのオジサンが牛が死んだっていってるぜ」「週刊誌でヤバイって言ってるぜ」「新聞がこうだって書いてるぜ」「ネットで書き込みがあった」そんなものを真に受けるのはバカか脱原発を訴える「猿」くらいなものです。
そういう事実があるとすれば、それは本当なのかから始まって、なぜそうなったのかまで追求しないうちは信じるに値しないものなのです。
中部大学の武田、群馬大学の早川、元京都大学の万年助教小出裕章、コイツラが信頼に値するデータを出してきた事があったか?
データみたいなものすら出したことが無いと言うのが実態なんじゃないの?
色々な有象無象魑魅魍魎が好き勝手な事を言っています。
それが風評被害を拡大し、混乱を招いています。
この中で何を信じるか?
それは過去に言った事が現実によって証明されている。
データに基づいて話をしている。
この二点をチェックすれば良いだけです。
該当するのは高田先生や近藤先生、放射線科のお医者さん達だけなんです。
第二章から第七章は高田先生が福島で活動してきた実績と講演録です。但しその章でも随所にデータが挟み込まれています。
データなしでは何も言わない高田先生の学者としての矜持が見て取れます。
最後にまとめとして福島の核被災地の実際はどうなのか?が書かれています。
何故被曝線量が少なくて済んだのか。
なぜ健康被害は無いのか。
を解説し、
福島20km圏内の線量は大幅に減衰し帰還できると結論付けています。
それは高田先生の営業にも差し障るかも知れませんからここでは書きません。
読んだ人間、講演を聞いた人だけが蒙を啓かれるのです。
そうは言っても、それじゃ不親切なので↓を見てください。
この本は多くの人に是非読んで貰いたい。
それによって科学的に「核」というものを理解して頂きたいと思います。