性欲が無い!こっちの制欲もない。
あれッ、何だかタタナイ!
朝がタタナイ!
気のせいか薬指が短いんじゃないか・・・。
アソコは長いと思っているけれど・・・。
長くてもタタナイとダメだよね・・・。
何処か狂ってきたのか・・・。
ホルモンを知る【1】甘く見てはいけない男性の更年期障害
2015年9月28日 体の中にわずかな量しかないにもかかわらず、一生にわたって私たちの体に大きな影響を与え続けるホルモン。体の状態を健康に保ち、また必要な成長や生殖機能を担う、重要な情報伝達物質です。現在、人間には100種類以上のホルモンが見つかっています。最近の研究で、ホルモンはこれまで考えられてきた以上に、さまざまな影響を心身に与えていることが分かってきました。その一つの例が男性の性ホルモンである「テストステロン」です。研究の第一人者で、このサイトでも連載を開始した順天堂大学大学院の堀江重郎教授に聞きました。連続3回でお伝えします。【編集部・中村好見】
男性の「更年期障害」とは
「最近なんだかやる気がしない」「疲れやすい」「気分が沈みがち」--40代以降の男性に見られるこんな症状の原因として、「男性更年期障害」の可能性があることを知っていますか。閉経による女性の更年期障害が広く認知されているのに対して、まだあまり知られていないのが実情ですが、男性更年期障害は、男性ホルモン・テストステロンの減少が原因です。男性のテストステロンの分泌は、10代後半〜30代をピークに低下する傾向がありますが、加齢だけが減少の原因ではありません。ストレスや睡眠不足などの影響を大きく受け、個人差も大きいのです。

今、医療現場では、テストステロンの低下を「男性性腺機能低下(Late Onset Hypogonadism)症候群」、英語の頭文字を取ってLOH症候群と呼び、積極的な治療を啓発するようになりました。米国で行われた大規模調査の結果、60代の2割、70代の3割、80歳以上の約半分と、かなり多くの男性がLOH症候群に該当すると推測されています。治療にはまず、生活習慣の改善を指導し、それでもテストステロンの値が低いままであればテストステロン補充療法などを受けることになります。詳細はこの特集の第3回で説明します。
薬指が長い人ほど男性ホルモン値が高い
ここまで読んで、自分のテストステロン濃度が気になった人はまず、利き手の人さし指と薬指をチェックしてみてください。人さし指に比べて薬指の長い人は、テストステロンの値が高い傾向があります。なぜでしょう。基本的に、ホルモンはその種類によって特定の臓器で作られ、血液中を流れて、対象となる細胞の受容体と結合して働きます。指の骨にもテストステロンの受容体が存在しますが、特に薬指に多いので、テストステロンの値が高い人ほど薬指が長くなると考えられるからです。
これは実は、女性にも当てはまります。女性で人さし指より薬指の方が長い人は、社会に出て仕事を続けている人や、女性経営者などに多い傾向があると言われています。「男性ホルモン」という呼び方で誤解をしている人がいるかもしれませんが、テストステロンは女性にも存在します。その量は、男性と比較すると10分の1〜20分の1ではありますが、閉経前でも女性ホルモンの代表であるエストロゲンの10倍以上とも。そのせいでしょうか、海外では「男性ホルモン」「女性ホルモン」という呼び方はしません。
女性は閉経によってエストロゲンの分泌が急激に低下し、この変化が更年期障害と呼ばれるさまざまな心身の不調を引き起こします。しかし、テストステロンの分泌量は男性と違って、生涯を通じてあまり変化しません。女性が更年期を終えた後、再び元気に、そして同年代の男性と比べてアクティブになるのは、テストステロンの働きが一因であると考えられています。
一方、男性のテストステロンの低下は、女性の閉経のような大きなきっかけがないため気づきにくいと言えます。個人差も大きく、理由も分からずに不快な症状だけが重なって、治療を受ける機会にもなかなか恵まれず、重症化するケースも珍しくありません。
LOH症候群をチェックしよう
では、LOH症候群になると、具体的にどのような症状が表れるのでしょうか。
大きく、身体症状と精神症状に分けられます。身体症状は、筋力低下▽筋肉痛▽疲労感▽ほてり▽発汗▽頭痛▽めまい▽耳鳴り▽勃起不全(ED)や「朝立ち」の消失など男性機能低下▽頻尿--があります。精神症状には、健康感の減少▽不安▽いらいら▽抑うつ▽不眠▽集中力の低下▽記憶力の低下▽性欲の減退--があげられます。
また診断には、Aging Males’ Symptoms Score(AMSスコア)というテストが世界的に使われています。患者が17項目の質問に5段階で回答し、総点数で評価します。85点を満点として、総点数が高いほど重症度も高くなります。50点以上は重症で、医療機関での受診が必要です。37〜49点は中等度の症状、27〜36点は軽度の症状、26点以下は正常です。病院に相談に行く際の目安にしてみてください。

合計点数が50点以上は重症。医療機関での受診が必要です。
次回は、性機能だけではなく、男性の健康や寿命にもかかわるテストステロンの働きについて解説します。

中村好見
毎日新聞 医療プレミア編集部
なかむら・よしみ 1984年生まれ。2008年に毎日新聞社へ入社、高松支局などを経て14年にデジタルメディア局異動。ニュースサイトの編集に携わり、新しいニュースの見せ方、伝え方について日々研鑽中。幼少時に家族がくも膜下出血で倒れた経験から、医療とそれを取り巻く社会問題に興味を持つ。