「ラン子、お前も少なくなってきたんだって?」
「そう言うセイ君も、水みたいに薄くなっているんだってね」
「そうなんだよラン子。役立たずですまない」
「セイ君の親はどうなのかな?」
「オレの親か?、オレの親は前からこの役立たず!って言われているみたいだ。」
「役立たずのくせに、やりたがるんだよ」
「かわいい子のケツを見ると追いかけて行くんだぜ。しかも、所かまわずやるんだ」
卵子のもとはどんどん減っていく
卵子は、赤ちゃんを授かるために欠かせないお母さんの分身。女性は胎児の時点ですでに卵巣の中に一生分の「卵子のもと」を蓄えています。この卵子のもとは「原始卵胞」といって、出生時に約200万個あると言われています。それが月経がはじまる思春期には約30万個まで減少し、それ以降も月1,000個程度のペースで減り続け、大抵50歳頃にはほぼなくなって閉経を迎えます。
若くても月経がなくなる「早発閉経」
人によっては、もともと原始卵胞の数が少なかったり減少するペースが人より速かったりする場合があります。中でも20~30代で原始卵胞が尽きて月経がなくなることを「早発閉経」といいます。早発閉経となれば、自然妊娠は難しいと言えます。
原始卵胞の数で決まる卵巣年齢
そうなると、今の自分の卵巣にはどれだけ卵子が残っているか、つまり卵巣年齢がどのくらいかが気になりますよね。これは、原始卵胞が卵子に成長するときに分泌される抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値を血液検査で調べれば分かります。卵子に成長する原始卵胞の数は、年齢に比例するとされています。例えば、AMH値が高いということは原始卵胞がたくさん成長しようとしているので、卵巣年齢は若いと考えます。一方、AMH値が低い場合は成長している原始卵胞が少ないので、卵巣年齢は高いと判断します。
ただ、AMH値には個人差がありますし、また卵巣年齢が高くても卵子がきちんと排卵されていれば妊娠は可能です。不妊には、むしろ「卵子の質の低下=卵子の老化」が大きく関わっていると言えます。
ちなみに、AMH値の検査は不妊治療を行っている産婦人科などで検査が可能ですが、健康保険は適用されないため自由診療(自費)となります。検査を希望される方は、医療機関へ検査が可能か否か、またその費用などを事前に確認することをおすすめします。
ただ、AMH値には個人差がありますし、また卵巣年齢が高くても卵子がきちんと排卵されていれば妊娠は可能です。不妊には、むしろ「卵子の質の低下=卵子の老化」が大きく関わっていると言えます。
ちなみに、AMH値の検査は不妊治療を行っている産婦人科などで検査が可能ですが、健康保険は適用されないため自由診療(自費)となります。検査を希望される方は、医療機関へ検査が可能か否か、またその費用などを事前に確認することをおすすめします。
卵子の質の低下(卵子の老化)が不妊の原因に
原始卵胞は胎児のときから卵巣で待機しています。そのため、年齢とともに原始卵胞も年をとり、卵子に成長するときに必要なエネルギーを確保する力も落ちていきます。そうすると、せっかく成長したにもかかわらず、染色体に異常のある卵子になってしまう可能性が高くなります。卵子に染色体異常があれば、精子と出会っても妊娠が成立しなかったり、流産しやすくなったりします。また、生まれてくる子どもに先天性の病気が見つかるリスクも高くなると言われています。
「月経がある=妊娠できる」じゃない!
卵子の老化は年齢とともに進んでいきます。そのため、不妊治療にチャレンジしても年齢を重ねるにつれて妊娠に至る確率は低くなります。 妊娠や出産よりも仕事を優先せざるを得ない状況にある女性は少なくないでしょう。ですが、卵子が無事赤ちゃんとして生まれる時期的なリミットを考えて、一度ライフプランを見直してみるのもよいかもしれません。
ファンファン福岡
最終更新:10月3日(月)17時53分
顕微授精 子も精子に問題傾向
10/9(日) 10:10 掲載<顕微授精>子も精子に問題…濃度薄く不活発 ベルギー調査
不妊に悩む男性の精子を卵子の細胞質に直接注入する顕微授精で誕生した男児は、成長しても一般男性より精子濃度が大幅に薄かったり、運動している精子の数が少なかったりする傾向があるとの調査結果を、ベルギーの研究チームが英科学誌ヒューマン・リプロダクションに発表した。1992年に始まった顕微授精で生まれた子どもたちは近年、世界で成人期を迎えているが、男性不妊の原因が次世代に引き継がれることが確認されたのは初めて。(毎日新聞)
不妊に悩む男性の精子を卵子の細胞質に直接注入する顕微授精で誕生した男児は、成長しても一般男性より精子濃度が大幅に薄かったり、運動している精子の数が少なかったりする傾向があるとの調査結果を、ベルギーの研究チームが英科学誌ヒューマン・リプロダクションに発表した。1992年に始まった顕微授精で生まれた子どもたちは近年、世界で成人期を迎えているが、男性不妊の原因が次世代に引き継がれることが確認されたのは初めて。
今回成果を報告したブリュッセル自由大学病院は世界で初めて顕微授精での妊娠・出産に成功し、生まれた子どもたちを追跡調査している。今年4月までの3年間、顕微授精で生まれた18~22歳の男性54人のデータを、自然妊娠で生まれた同世代の男性57人と比較。その結果、精子濃度や運動する精子数が全体として半分程度と低く、世界保健機関(WHO)が定める基準値を下回る人が通常の3~4倍に上った。ただ、それぞれの父親の精子の数や運動の程度とは違う点もみられた。
日本では94年に出産例が初めて報告され、近年は男性不妊に限らず受精率を高める目的でも広く実施されている。日本産科婦人科学会によると、年間14万件以上が実施され、2014年までに計9万6000人が誕生している。厚生労働省の研究班が子どもの健康を調べているが、精子の状態は追跡調査されていない。
日産婦元理事長で生殖補助医療に詳しい吉村泰典・慶応大名誉教授(生殖医学)は「顕微授精で男性不妊が次世代の男児に伝わる可能性は遺伝子の研究から予想されていたが、データで確かめられたことは極めて重要だ。彼らが子どもをもてるかどうかが問われ、今後、顕微授精の実施時には十分な説明が求められる」と指摘している。【千葉紀和】
【ことば】顕微授精
体外受精の一種で、顕微鏡で観察しながら培養液の中で実施する。当初は複数の手法が使われたが、現在は一つの精子を人が選んで卵子の細胞質内に入れる「卵細胞質内精子注入法(ICSI)」を指し、この方法では日本で1994年に初の出産例が報告された。流産率が通常よりも少し高い。費用は1回数十万円。
今回成果を報告したブリュッセル自由大学病院は世界で初めて顕微授精での妊娠・出産に成功し、生まれた子どもたちを追跡調査している。今年4月までの3年間、顕微授精で生まれた18~22歳の男性54人のデータを、自然妊娠で生まれた同世代の男性57人と比較。その結果、精子濃度や運動する精子数が全体として半分程度と低く、世界保健機関(WHO)が定める基準値を下回る人が通常の3~4倍に上った。ただ、それぞれの父親の精子の数や運動の程度とは違う点もみられた。
日本では94年に出産例が初めて報告され、近年は男性不妊に限らず受精率を高める目的でも広く実施されている。日本産科婦人科学会によると、年間14万件以上が実施され、2014年までに計9万6000人が誕生している。厚生労働省の研究班が子どもの健康を調べているが、精子の状態は追跡調査されていない。
日産婦元理事長で生殖補助医療に詳しい吉村泰典・慶応大名誉教授(生殖医学)は「顕微授精で男性不妊が次世代の男児に伝わる可能性は遺伝子の研究から予想されていたが、データで確かめられたことは極めて重要だ。彼らが子どもをもてるかどうかが問われ、今後、顕微授精の実施時には十分な説明が求められる」と指摘している。【千葉紀和】
【ことば】顕微授精
体外受精の一種で、顕微鏡で観察しながら培養液の中で実施する。当初は複数の手法が使われたが、現在は一つの精子を人が選んで卵子の細胞質内に入れる「卵細胞質内精子注入法(ICSI)」を指し、この方法では日本で1994年に初の出産例が報告された。流産率が通常よりも少し高い。費用は1回数十万円。
最終更新:10月9日(日)10時21分