お人好し日本国と日本人にしたのは、今も続く反日売国左翼と今までの売国政府と公務員である。と思う。
不遜・中国とのつき合い方は「台湾」に学べ…小が大を飲む“チャイワン”企業の逞しさ、その秘密は
2014.1.5 07:00msn配信
奇妙な中国の政権交代
中国共産党は現在、習近平主席・李克強首相体制ですが、この国の政治体制は実に奇妙でわかりにくいことが多くあります。一昨年に行われた“奇妙な政権交代儀式”を枕に説明したいと思います。
習・李体制は少なくとも、「1期5年間」の任期で中華人民共和国の政府として内外に君臨するわけですが、それ以前の胡錦濤、江沢民両政権が、それぞれ2期・10年ずつリーダーを務めてきたのに、なぜ習政権も2期・10年でないのか、との疑念を抱かれる方も多いでしょう。疑問を解消するには、習・李体制誕生時の政変に隠された背景を読み取る必要があると思います。
まずは中国経済が過去20年続いた高度成長の減速がすでに始まったのではないかという景況問題、その結果生じた貧富格差、都市と地方の格差の異常な拡大と一般民衆の憤懣(ふんまん)の暴発度合いといった内政課題があります。加えて、一方的に市場を荒らされた欧米先進国による対中国巻き返し、近隣アジア・オセアニア地域の経済産業分野における追い上げと領土・領海を含めた貿易・経済摩擦、および軍備拡張に対する欧米とロシアの警戒増…など外交問題も目白押しでした。
そんな中、政権交代前夜の中国政治中枢は、いったん太子党・江派が牛耳ったようですが、5年後に中央委員の大半が定年を迎え、次の交代要員(中央委員候補)のほとんどを対抗勢力の共青団・胡派が占めている、という事情がありました。つまり、いったんは表舞台から消えたかに見える共青団・胡派が習体制1期目の任期が終わるころに復活するということです。
しかも、院政をひく江沢民の老衰化と、肝心の習主席自身に肝臓がん再発の恐れがあるという要素もあります。こうした背景から、「5年後には胡錦濤院政(李主席体制)が取って代わるのではないか」との信憑性ある論評があります。そして、それが台湾系情報源から聞こえてくることに注目すべきでしょう。
お人良し日本人が中国とうまく付き合うのは難しい
いずれにせよ、目下の尖閣問題でも、レアメタル禁輸を持ち出したり、対日暴動を起こさせて内政問題である失業者や地方貧民暴発のガス抜きをしてみたりと、中国政府の内外政は“魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界”で、常識的な観測がほとん不可能であるのが現実です。
“裸民”というのは、高級官僚の大半が一族郎党と膨大な資産を北米や欧州などへ移して、自らは文字通り裸一貫となり中国に留まっている人々の別称だそうで、いつ失脚しても、革命が起ころうとも、サッと安全圏へ逃亡できる準備を完備した幹部政治家たちです。このような難解な国と付き合うのは、“お人良し”日本人には無理でしょう。やはり、漢民族と日本人文化を土台に、欧米との付き合いも上手な台湾人たちの国際的センスとネットワーク作りに学ぶのが、一番手っ取り早いのではないかと考えます。
台湾には親日家が多く、優秀な方々が世界に雄飛され、広く情報網を構築されておられます。それは、台湾の歴史を概観すれば納得がいきます。
明の時代の本土との交易や倭寇の根拠地として、漢民族と日本人が多く移住し土着の民族と混血しながら、大航海時代に入るとスペイン・ポルトガルとの貿易・海防拠点として発展を遂げます。
その集大成は、オランダの東インド会社と植民地化でした。「タイワン」の呼称は、土着の言葉で“来訪者(オランダ人)”のことを「タヨワン」と呼んだことに由来するそうです。また、英語の呼称「フォーモサ」は、スペイン人が発見したとき、“美しい島(フォルモウサ)”と名付けたことによるものです。
その後、清の統治を経て日本が割譲をうけ50年間併合した際、農工産業振興、インフラ整備(ダムや鉄道設営)を進め、特に義務教育の拡充により、アジアで日本に次ぐ2番目に高い識字率を達成し、後に優秀な官僚、産業人、技術者を多数輩出する礎を築いたのです。李登輝らが、その代表者となりました。
台湾の数奇な運命
大戦後は、日本が領有権を放棄したものの、蒋介石・中華民国と本土の毛沢東・人民共和国のいずれとも返還先が明記されなかったため、帰属未定のまま、数奇な運命に苛まれることになったのです。一方ではアメリカの共産圏封じ込め策とベトナム戦への物資供給、日本ほか自由貿易経済圏との交易で高度経済成長を遂げ、もう一方では、その後の中国の開放経済にも関与を深め、政経分離という巧みな“二股外交”を展開、今日の繁栄を築き上げてきました。
特にアメリカへの移民、留学生の定着が多かったカリフォルニア州を中心に、日本を交えた電子産業への進出進化は目を見張るものがありました。また、都市化と人口減、知的集約経済社会の爛熟(らんじゅく)という現代的課題は日本ほかの先進国と共通の悩みとなっておりますが、後述するように、中国本土進出と、その後を見据えたグローバル経済戦略に関しては、多々教唆を与えてくれます。
在米台湾人のプレゼンスは特筆すべきものです。民族別の大卒以上の学歴比では、台湾が74%とダントツ(日本、中国、韓国系は51~47%、白人27%、全米平均24%)で、ホワイトカラー就業率も台湾系が68%でトップ(全米平均36%)。平均所得でも(8.5万ドル)と少数民族最高額だし、貧困率8%は最低率。結果として技術、学術教育、医療、金融、事業経営など職業面でも各界のリーダー階層に多くに人材をちりばめているようです。
日本を脇役に追いやった台湾企業のしたたかさ
中でも、現今“チャイワン”と呼ばれる「中国で大成功している世界最大手の台湾の会社」は、いずれもOEM(相手先ブランド名の請負製造業)、EMS(電子機器の受託生産サービス業)ODM(設計開発・製造請負業)など、元々は下請け専門の中小企業だった事業会社が、大量安定生産や設計開発技術を磨き、大手企業に化けた姿なのです。
その代表は、10兆円大企業の鴻海(ホンハイ=コネクター、ベアボーンからEMS最大手となりアップル、ノキア、ソニー、任天堂、シャープなどと取引)、広達(HTCグループ=ノートパソコン世界一、HP、デル、パナソニック、ソニーゲームと取引)、華碩(ASUS=マザーボード世界最強)のトップ3社で、中国で7割、世界シェアーの3割強をも抑えているのです。これらに、パソコン周辺事業の宏碁(Acer)やICファウンドリー企業(発注元の回路設計に基づく半導体製造業)の積体電路(TSMC)などを加えると、電子産業分野では、欧米や日本をもしのぎ台湾が最強軍団といえそうです。
その特性を評して米国人は「安くて早くて上手い」と、規模を生かしたコスト競争力、開発と生産スピードの迅速さ、高品質技術力と部材調達、製造ノウハウ、物流の効率性と総合的な上手さを讃えております。
悔しいのは、彼らは、日本の先端部品を使って、日本から学んだ製造ノウハウを中国に教えるなかで、技術トランスファーを成し遂げつつ、コストダウンを成功させたことなのです。あらゆる物が汎用化するデジタル時代は、ホンのここ5年で急膨張したスマホに代表される世界なのです。日本企業は、スマホのアプリやアイコンに納まる脇役になってしまったというのが情けない現実なのです。
高い能力と広い人脈
今や台湾企業は、IT産業に留まらず、市民生活産業(屋台、食品、写真館、自転車、靴、衣類、小売流通など)から、機械、化学、電池、自動車部材などに至るまで、日米先端事業の受け売りを徹底し、すでに台湾国内に1千万人、中国に1千数百万人、欧米先進国に数百万人もの雇用を生んだグローバル大展開に成果を上げています。その傍ら、この先、アジア一帯にさらなる1千万人の雇用増を図ると鼻息を荒くしているのです。
しかも、台湾本社は、全世界の管理機能と技術開発の中枢を守り、世界から修士・博士の頭脳集団を高給で招き、日米先端技術を素早く吸収昇華しつつ、その傍らで華僑を含むグローバルネットワークを生かした事業展開をこなしているのです。
日本の下請け業者が大手系列下の中小企業に甘んじてきたのに対し、台湾の事業家は、小が大を飲む発想から、技術的に世界最先端を行き、高度品質を維持しながら世界最大の製造組み立て業と物流をスマートにこなすことで、グローバル舞台に躍り出て主役を演じるまでに豹変しているのです。
その最大の勝因は、英語、日本語と中国語を操り、世界の情報を瞬時に摘み取り、アジア人を含む低賃金労働力を取り込める能力と人脈に尽きるのです。
(上田和男)