元スズキの開発者がつくったベンチャー企業が19日、水に浮いて水上も移動できる小型の電気自動車(EV)を開発し、試作車を披露した。来年10月から、水害の多いタイを皮切りに東南アジアで販売する。将来的には日本や欧州市場への参入も検討する。
 開発した企業は「FOMM」(川崎市)。スズキなどで二輪車や小型EVの開発を手がけてきた鶴巻日出夫社長が、このEV開発のために昨年立ち上げた。
 全長は約2・5メートル。4人乗りだが、一般的な軽自動車より小さく、車両重量も460キロと軽い。水陸両用ではないが、洪水などの非常時には24時間は水面に浮くことができ、タイヤを回転させれば水上を進むことも可能だという。
 取り外しできる電池を積み、1回のフル充電で陸上を100キロ走行できる。「水害で廃車になる被害も多い新興国の経済発展に役立つ」と鶴巻社長。まずは来年からタイで委託生産を始め、100万円未満の価格で売り出す。