横浜市都筑区の大型マンションで杭の一部が強固な地盤に届いておらず建物が傾いていた問題で、工事を担当した旭化成建材は、過去10年間に杭工事をしたマンションや商業ビルについて、横浜のマンションと同様のデータの差し替えがなかったか調べることを決めた。対象は全国の約3千棟に及ぶという。
 親会社の旭化成によると、調査するのは杭工事の施工報告書が残っている物件。仮に複数の杭の数値が不自然に似通うなどデータの転用や加筆の疑いが強まれば、地盤調査をして杭の状態を確認するという。
 また、関係社員への聞き取りから、横浜のマンションでは杭工事の際に正確なデータの記録に失敗したことから、別の杭のデータと差し替えた可能性が高いという。この工事では、杭が強固な地盤に届いたかどうかを判断するため、ドリルの電流値を記録する方法を採用していた。「このデータを印字する際、プリンターの電源切れやインク切れなどで失敗した可能性もある」と広報担当者は話している。(峯俊一平)